須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成27年1月号掲載
なぜ企業は高収益でなければならないのか
 今回は、昨年末の盛和塾忘年例会での内容について紹介します。

 1.高収益でなければならないと思った原点

 京セラ創業時に新潟県出身の西枝さんから1,000万円借りたことに由来します。その1,000万円は西枝さんが家屋敷を担保にして銀行から借りたお金です。当然ですが、返せなくなれば西枝さんは家屋敷を失うことになります。京都セラミックは初年度から売上高2,600万円、利益300万円という業績を上げました。3年位もすれば1,000万円を返せると思っていたところ、税金やら株主への配当などで返済に回せるお金は100万円位しかないことを知り愕然とします。そして、税金ももったいないと感じます。しかし、「税金を払いたくない」という気持ちは「利益を減らすことを考え」結果的に「低収益を目指す」ことになるということに気付き、高収益企業を目指すこととなりました。

 2.高収益でなければならない理由

@  財務体質を強化する
  自己資本比率をアップさせ、キャッシュフローを生み出す。
      
A 近未来の経営を安定させる
  仮に利益率3%の会社で、売上の30%が人件費とすると10%の賃上げで人件費比率は33%となり、利益は無くなる。しかし、利益率20%の会社であれば利益率が17%に下がるだけで当面赤字転落することはない。
      
B 高配当で株主に報いる
     
C 株価を上げて株主に報いる
     
D 事業展開の選択肢を広げる
  自己資金により、多角化することが出来る。京セラにおいても太陽光発電が軌道にのるのに30年を要した。その間、自己資金をつぎ込み続けることができたのは高収益であった為である。
     
E 企業買収によって事業の多角化を図る


 3.どの位の利益率をあげれば良いか

高収益企業の目安としては、業種に関係なく、事業を営む上では最低でも利益率10%以上を目指すべきである。この数字を日常思っていると3〜4%の利益率だと居心地が悪くなる。現在低収益に苦しんでいる会社は、強い願望と意志、努力により高収益企業への道を歩んでほしい。
    
                所長 須田幸英
 事務所通信1月号掲載
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